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本記事の内容
本記事では、ベクトル三重積について解説しています。
- 公式
- 例題
- ベクトル演算子 \(\nabla\) への適用
定義と公式
ベクトル三重積は、3つのベクトル \(\bm{A}, \bm{B}, \bm{C}\) について以下のように定義され、右辺の公式が成り立ちます。
例題
例題1
\(\bm{A}=(1,0,1), \bm{B}=(2,1,1), \bm{C}=(0,-1,2)\) のベクトル三重積を求めよ。
例題2
以下の等式を示せ。
$$ (\bm{A}\times\bm{B})\times\bm{C} = -(\bm{B}\cdot\bm{C})\bm{A} + (\bm{A}\cdot\bm{C})\bm{B} $$
ナブラ \(\nabla\) への適用
ナブラ \(\nabla\) はベクトル演算子で、以下で定義されます。
$$ \nabla := \left(\frac{\partial}{\partial x}, \frac{\partial}{\partial y}, \frac{\partial}{\partial z}\right) $$
〈関連記事〉
grad(勾配)については、こちらの記事で解説しています。
grad(勾配)の意味とは?[例題つき]
ナブラ \(\nabla\) はベクトル演算子なので、通常のベクトルと同じように扱うことはできません。
しかし、形式的に式 \eqref{eq:1}に代入することで、
$$ \begin{align} \nabla \times(\nabla \times \bm{A}) &= \nabla(\nabla\cdot\bm{A}) - (\nabla \cdot \nabla)\bm{A} \\ &= \nabla(\nabla\cdot\bm{A}) - \nabla^2 \bm{A} \end{align} $$
を得ます。以下の公式は、例えば電場の波動方程式を導出する際に用いられます。
\(\nabla\) はベクトル演算子なので、作用させる相手がいて初めて成立します。したがって、通常のベクトルとは扱いが異なりますが、形式的に公式 \eqref{eq:1} へ代入することで公式が得られます。正式な証明は以下です。
参考文献
- 安達忠次(1961)『ベクトル解析』培風館
- ファインマン・レイトン・サンズ(1969)『ファインマン物理学 III 電磁気学』(宮島龍興訳)岩波書店